隻狼考察 ①長手の百足・仙雲とジラフ

入院していたため発売から1ヶ月以上経ってようやくプレイ開始、そして1周目をクリア。もう当分、お年寄りと戦うのは勘弁したい。『隻狼』は生死と親子関係、随所に能の幽玄、神道、仏教文化がちりばめられ、そしてダークソウルやブラッドボーンとの繋がりを薄っすら(一部では強烈に)感じさせられる作品だった。

いまその繋がりを書くには自分にとって早急すぎるのでプレイ中に気づきあるいは調べた人物やオブジェクトの比較的簡単な解説をしていきたい。
このシリーズを「能ゲーム、能ライフ」と銘打っていく(どこかで聞いたことがあるって?ライトノベルで有名だが元を辿ればタワーレコードのキャッチコピー「No music,No life」が先である。本歌取りは続くのだ)。



本題へ。仙峰寺の五重塔で何やら呟きながらひたすら火に向かって祈っている長手の百足・仙雲。彼は一体何をしているのか。アイテム「六の念珠」に彼ら百足衆の記述がある。


六の念珠(抜粋)

百足衆は、己の「星」を探す者たちだ
星を見出せば、それに仕え、時に名すら変える
百足衆の長は「長手」と呼ばれ、鉤爪を持つ


百足衆は星を探しているのだと。密教の占星法は九曜(9個あると信じられた惑星)と北斗七星のうちの1つをその者の生まれ星とし、それらと1年ごとに巡ってくる星が運命を左右すると信じられた。要するに西洋の星座占いのようなものである。
それらの星に願い事をし災いを退けるようとする行いが、あの火に祈る護摩供養である。本来は立春、冬至、旧暦の元旦に行う行事だそうだが、見たところ仙雲たちはずっとやっているようである。一所懸命。星に願いを。百足衆は意外にもロマンチストである。



ではもう1人の百足衆の長、長手の百足・ジラフは落ち谷方面で何をしていたのか。

1つ考えられるのは鉱物採集の役目。坑道がムカデに似る、土を掘り進むことがムカデのようであることから鉱物掘りをする者らがムカデと関連づけられることがあったという。
ウィキペディアのムカデのページ、モチーフ象徴の部分を参照していただきたい。刀、鉄砲、鎧など鉱物はとにかく重要な素材であり、貴重な財源であったはずである。

もう1つ考えられるのは伝令の役目があったのかもしれない。いままでのリンク先でも見かけられたがこちらのブログにて武田氏が伝令を百足衆と呼んでいた説について書かれている。不死の探求のためか、葦名の情報を集めるためか。理由ははっきりしないがジラフの背景にはこういったことがあるとだけに留めておく。

毘沙門天の使いで後退しないと信じられただけあって、両者ともアグレッシブに攻めてくる敵であった…



さぁ、考察を書き始めましたが①から能の話を一切しませんでした。何が「能ゲーム、能ライフ」だ。ダジャレが言いたかっただけだろう?そうですごめんなさい。しかしながら能のことも調べています。ゆっくりお付き合いください。

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