隻狼考察②仙峰寺と鐘鬼について
「能ゲーム、能ライフ」、第2回は仙峰寺について。今回は能の話あり。
仙峰寺は京都に実在する清水寺と酷似している。有名な清水の舞台は勿論、場所は違えど対応する建物が多くある。本堂周辺の図を作成したのでご覧いただきたい。
図に加えて解説。
・清水寺、仙峰寺共に本堂の本尊は千手観世音菩薩。
・随求堂での胎内巡りは隻狼作中の洞窟。変若の御子も仙峰上人がそこで胎内巡りをしたっきり出てこないことを教えてくれる(筆者も昔胎内巡りを体験した)。
・変若の御子の居場所である奥の院は清水寺では別の場所、音羽の滝の真上にある。清水寺の名の由来ともなる清らかな水が流れる小さな滝。奥の院は清水寺を創建した行叡居士らが修行した場所で寺内で最も古い歴史を持つと言える。また、奥の院の本尊も千手観世音菩薩である。
この他にもまだ共通する建造物や場所がある。
・仁王門(阿形と吽形の金剛力士像がある門)。作中では捨て牢経由で到着後左奥に坂を登って行った辺りにあり、僧がたくさんいる場所。
・小太郎が欲しがっている赤と白の風車のある地蔵群は清水寺の千体石仏群に相当する。日本で地蔵は子を守る存在として崇められる。地蔵菩薩はサンスクリット語でクシティ(大地)ガルバ(子宮)といい、大地のような広い心で抱く仏。地母神のような存在か。
・清水寺では鐘楼は仁王門から少し離れた場所にある。作中では厄憑の鐘として地蔵群と甲冑武者のいる廊下の奥の崖にある。
鐘について補足を。
厄憑の鐘を突くと鐘鬼が憑き、敵が強化される代わりにドロップアイテムが増える効果を得られる。ダークソウルシリーズでは蛇は竜のなりそこないであり、大きな口で自分以上のものを飲み込むことから貪欲な存在とされていた。モデルかどうかははっきりとしないが、近い話として能の演目「道成寺」にもなった「安珍・清姫伝説」というものがある。
あらすじ。修行僧の安珍は和歌山の熊野詣の途中に真砂庄司というものに一晩泊めてくれと頼む。その家の娘、清姫は安珍があまりにも美青年であったため一目惚れし、熱烈に(夜這いするほど)恋い慕う。修行僧である安珍はこれを拒み、熊野詣の帰りに寄ると約束する。
しかし約束の日になっても安珍は来ない。怒った清姫は安珍を追いかけ、ついに追いつくが人違いだと嘘を吐かれる。逆上する清姫。彼女から逃げたい一心で安珍が祈ると清姫は目がくらみその隙に逃げることができた。
安珍は日高川というところを船で渡るが、追いかけてきた清姫は船頭から船を出すことを断られる。遂に怒りが頂点に達した清姫は大蛇に変身して川を渡る。
安珍は道成寺に駆け込み助けを頼んだ。寺の者たちは安珍を鐘に閉じ込め守ろうとしたが、大蛇となった清姫は鐘に巻きつき、火を吐いて中の安珍を焼き殺してしまう。そして自らも入水自殺をしたという。
清姫の安珍への執着、貪欲さが作中の鐘鬼のモデルかもしれないねという話でした。
ちなみに能の演目の「道成寺」は道成寺で鐘が再建される時に女人禁制にしたはずが1人の白拍子(歌舞に優れ春もひさぐ職の女)が舞い込み鐘の中に入ってしまう話である。白拍子は鐘の中で怨みの炎を吐く蛇となるが、必死の祈祷と争いの末に自らを焼いて
日高川の深くに沈んでいったという。ストーリーは安珍・清姫伝説の続編のような作品である。
仙峰寺は京都に実在する清水寺と酷似している。有名な清水の舞台は勿論、場所は違えど対応する建物が多くある。本堂周辺の図を作成したのでご覧いただきたい。
図に加えて解説。
・清水寺、仙峰寺共に本堂の本尊は千手観世音菩薩。
・随求堂での胎内巡りは隻狼作中の洞窟。変若の御子も仙峰上人がそこで胎内巡りをしたっきり出てこないことを教えてくれる(筆者も昔胎内巡りを体験した)。
・変若の御子の居場所である奥の院は清水寺では別の場所、音羽の滝の真上にある。清水寺の名の由来ともなる清らかな水が流れる小さな滝。奥の院は清水寺を創建した行叡居士らが修行した場所で寺内で最も古い歴史を持つと言える。また、奥の院の本尊も千手観世音菩薩である。
この他にもまだ共通する建造物や場所がある。
・仁王門(阿形と吽形の金剛力士像がある門)。作中では捨て牢経由で到着後左奥に坂を登って行った辺りにあり、僧がたくさんいる場所。
・小太郎が欲しがっている赤と白の風車のある地蔵群は清水寺の千体石仏群に相当する。日本で地蔵は子を守る存在として崇められる。地蔵菩薩はサンスクリット語でクシティ(大地)ガルバ(子宮)といい、大地のような広い心で抱く仏。地母神のような存在か。
・清水寺では鐘楼は仁王門から少し離れた場所にある。作中では厄憑の鐘として地蔵群と甲冑武者のいる廊下の奥の崖にある。
鐘について補足を。
厄憑の鐘を突くと鐘鬼が憑き、敵が強化される代わりにドロップアイテムが増える効果を得られる。ダークソウルシリーズでは蛇は竜のなりそこないであり、大きな口で自分以上のものを飲み込むことから貪欲な存在とされていた。モデルかどうかははっきりとしないが、近い話として能の演目「道成寺」にもなった「安珍・清姫伝説」というものがある。
あらすじ。修行僧の安珍は和歌山の熊野詣の途中に真砂庄司というものに一晩泊めてくれと頼む。その家の娘、清姫は安珍があまりにも美青年であったため一目惚れし、熱烈に(夜這いするほど)恋い慕う。修行僧である安珍はこれを拒み、熊野詣の帰りに寄ると約束する。
しかし約束の日になっても安珍は来ない。怒った清姫は安珍を追いかけ、ついに追いつくが人違いだと嘘を吐かれる。逆上する清姫。彼女から逃げたい一心で安珍が祈ると清姫は目がくらみその隙に逃げることができた。
安珍は日高川というところを船で渡るが、追いかけてきた清姫は船頭から船を出すことを断られる。遂に怒りが頂点に達した清姫は大蛇に変身して川を渡る。
安珍は道成寺に駆け込み助けを頼んだ。寺の者たちは安珍を鐘に閉じ込め守ろうとしたが、大蛇となった清姫は鐘に巻きつき、火を吐いて中の安珍を焼き殺してしまう。そして自らも入水自殺をしたという。
清姫の安珍への執着、貪欲さが作中の鐘鬼のモデルかもしれないねという話でした。
ちなみに能の演目の「道成寺」は道成寺で鐘が再建される時に女人禁制にしたはずが1人の白拍子(歌舞に優れ春もひさぐ職の女)が舞い込み鐘の中に入ってしまう話である。白拍子は鐘の中で怨みの炎を吐く蛇となるが、必死の祈祷と争いの末に自らを焼いて
日高川の深くに沈んでいったという。ストーリーは安珍・清姫伝説の続編のような作品である。
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