ブラッドボーン解説その3 女王ヤーナム
前回の解説の補足的にはなるが、医療協会の発足のきっかけとなった聖体について解説していく。この聖体とは女王ヤーナムである。白痴の蜘蛛ロマ撃破後に姿を現した、白いドレスを纏い腹から血を流した異様な女性。謎多き彼女について語ろう。
街と地下遺跡の女王の名前が同じなのは偶然ではない。彼女を連れてきて聖体として崇めたところから医療教会がはじまり、その名にあやかって街の名前として付けたのだと考えるのがごく自然ではないだろうか。
彼女がトゥメル=イルから連れてこられた経緯は作中で語られておらず不明である。しかしメンシスの悪夢にてメルゴーの乳母前で祈るようなポーズをし、そして腹には大きな傷から出たような血痕と包帯が巻かれてあり、乳母を撃破したのちに一礼して消えることから、彼女は上位者メルゴーの母親ではないかと推測される。
聖杯ダンジョンは儀式で現れる現実とは違う特殊な時空間だと仮定すると(この作品の悪夢と呼ばれるものは特殊な時空間を持つ場所のことである)、固定聖杯ダンジョンのトゥメル=イルの最奥で待ち構えている女王ヤーナムとの戦いは過去の似たような出来事の繰り返しなのかもしれない。
その時の彼女の姿は包帯など巻いておらず腹が臨月の状態のように膨らんでいる。その中身は…上位者メルゴーだったのではないだろうか。
女王ヤーナムは聖体として遺跡から攫われ、孕んでいた上位者の赤子を腹をさばかれ奪われたのである。その赤子はビルゲンワースで上位者になるための実験材料とされたのであろう※。そして自身は医療協会の“聖体”として利用されたのである。なんと虐げられた存在であろうか。彼女がロマ撃破後に主人公の前に姿を表したのは、教会への復讐、あるいは子供を取り返すための駒として見定めたからではないだろうか。
※ビルゲンワースにある「3本の三本目」などのメモはこのとき得た知見を書き付けたものではないだろうか。また、各三本目のへその緒のテキストの「実際にそれが何をもたらすものか、皆忘れてしまった」というのはそのへその緒の調査からかなりの時間経過があることを示している。それはこの一連の医療教会設立前後のことだとすれば合点がいく。
補足
女王ヤーナムは上位者の赤子を身籠ったことで自身も上位者になっていたのであろう※。死してなお悪夢(メンシスの悪夢や、ロマのいる現実とは違う異次元)の世界を行き来し、失った子供のために行動しているのである。へその緒のテキストにある通り「全ての上位者は赤子を失い、そして求めている」のである。
※補足に補足を重ねることになるが、赤い月の時に穢れた血の女性は上位者の子を孕む。その際詳しい条件は不明だが、妊娠した女性も上位者に近づくようである。それはへその緒を通じて赤子と直に体液が混ざるためだろう。
偽ヨセフカの赤い月後、四つん這いの状態時のセリフ
…ああ、気持ち悪い…あなた、わかる?
私、ついにここまで来たの、見えてるのよ…
やっぱり私は、私だけは違う。獣じゃないのよ
だから…ああ、気持ち悪いの…選ばれてるの…
分かる?頭の中で蠢いているの…
このときに偽ヨセフカを倒すと三本目のへその緒をドロップする。やはり上位者の子を孕んだのは間違いないようである。「ここまで来た」「見えている」そして「獣じゃない」とすればやはり獣とは反対のものである上位者に近づいていると解釈するのが妥当である。
街と地下遺跡の女王の名前が同じなのは偶然ではない。彼女を連れてきて聖体として崇めたところから医療教会がはじまり、その名にあやかって街の名前として付けたのだと考えるのがごく自然ではないだろうか。
彼女がトゥメル=イルから連れてこられた経緯は作中で語られておらず不明である。しかしメンシスの悪夢にてメルゴーの乳母前で祈るようなポーズをし、そして腹には大きな傷から出たような血痕と包帯が巻かれてあり、乳母を撃破したのちに一礼して消えることから、彼女は上位者メルゴーの母親ではないかと推測される。
聖杯ダンジョンは儀式で現れる現実とは違う特殊な時空間だと仮定すると(この作品の悪夢と呼ばれるものは特殊な時空間を持つ場所のことである)、固定聖杯ダンジョンのトゥメル=イルの最奥で待ち構えている女王ヤーナムとの戦いは過去の似たような出来事の繰り返しなのかもしれない。
その時の彼女の姿は包帯など巻いておらず腹が臨月の状態のように膨らんでいる。その中身は…上位者メルゴーだったのではないだろうか。
女王ヤーナムは聖体として遺跡から攫われ、孕んでいた上位者の赤子を腹をさばかれ奪われたのである。その赤子はビルゲンワースで上位者になるための実験材料とされたのであろう※。そして自身は医療協会の“聖体”として利用されたのである。なんと虐げられた存在であろうか。彼女がロマ撃破後に主人公の前に姿を表したのは、教会への復讐、あるいは子供を取り返すための駒として見定めたからではないだろうか。
※ビルゲンワースにある「3本の三本目」などのメモはこのとき得た知見を書き付けたものではないだろうか。また、各三本目のへその緒のテキストの「実際にそれが何をもたらすものか、皆忘れてしまった」というのはそのへその緒の調査からかなりの時間経過があることを示している。それはこの一連の医療教会設立前後のことだとすれば合点がいく。
補足
女王ヤーナムは上位者の赤子を身籠ったことで自身も上位者になっていたのであろう※。死してなお悪夢(メンシスの悪夢や、ロマのいる現実とは違う異次元)の世界を行き来し、失った子供のために行動しているのである。へその緒のテキストにある通り「全ての上位者は赤子を失い、そして求めている」のである。
※補足に補足を重ねることになるが、赤い月の時に穢れた血の女性は上位者の子を孕む。その際詳しい条件は不明だが、妊娠した女性も上位者に近づくようである。それはへその緒を通じて赤子と直に体液が混ざるためだろう。
偽ヨセフカの赤い月後、四つん這いの状態時のセリフ
…ああ、気持ち悪い…あなた、わかる?
私、ついにここまで来たの、見えてるのよ…
やっぱり私は、私だけは違う。獣じゃないのよ
だから…ああ、気持ち悪いの…選ばれてるの…
分かる?頭の中で蠢いているの…
このときに偽ヨセフカを倒すと三本目のへその緒をドロップする。やはり上位者の子を孕んだのは間違いないようである。「ここまで来た」「見えている」そして「獣じゃない」とすればやはり獣とは反対のものである上位者に近づいていると解釈するのが妥当である。
女王ヤーナムを聖体とし、あれほどの大きな街を興すだけの力を持った医療教会であるが、その組織としては一枚岩ではなかったようである。次回は医療教会発足初期の組織である処刑隊について解説をする。
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